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2012年4月のFMICS



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AO入試と“外国につながりのある高校生”

 私が入試広報業務に従事して10年となりました。前職の桜美林大学にてアドミッションに異動した2002年(2003年度入試)には、職員主導型のAO入試が始まって、職員スタッフで数百名にものぼる全ての志願者の書類審査を担当し、また一部の面接審査も担いました。その時にとても印象的だった事の1つが、典型的な外国人留学生でも、日本人の海外帰国生でもない、日本の高校で学んできた“外国につながりのある高校生”の存在でした。

 彼(女)らは、インドシナ難民、中国残留日本人孤児の子孫、中南米の日系人、その他様々な国の背景を持ったいわゆるニューカマーと呼ばれる外国人の子ども達。日本で生まれ育った者から、ある程度の年齢になってから来日した者まで、その多くが日本の学校で学ぶ中で、言葉の修得、いじめ、アイデンティティーの葛藤、といった問題に直面しています。

 典型的な外国人留学生や日本人の海外帰国生には対しては、多くの大学においてそれぞれに対応した特別選抜が実施されており、これらの者の存在は統計的にも把握されます。それに対して、日本で生まれ育ったり、初等・中等教育段階で来日して日本の国内の高校で学んでいる外国人の高校生は、基本的にそれらの特別選抜の枠組みには当てはまらないため、普通の日本人高校生と同じく一般入試や推薦入試、そしてAO入試などで大学を受験する事になります。最近では易々と一般入試や推薦入試で合格し、その存在が目立たないままに入学してくる者もおりますが、AO入試にて受験してくる者については、“外国につながりのある”背景が表現されて、その存在が強く目にとまります。

 自己アピール型のAO入試を苦手とする日本人高校生も多い中、これらの“外国につながりのある高校生”にあっては、様々な苦労を乗りこえてきた事や外国につながる背景をポジティブに受けとめ、受験のプロセスの中でその意味を発見している様子がとても印象的です。このことは横浜市立大学に移ってからも同様で、ここ数年のデータを集計してみると、例年AO入試の入学者(実施している国際総合科学部の入学者の約7%)では、約10%がこうした学生達が占めており、合格率も他の受験者より高い傾向にあります。

 もちろん、大学受験どころか高校を卒業する事も困難な子ども達も多いのですが、日本人学生による支援や彼(女)ら自身によるネットワーク化の取り組みなども見られ、留学生受入30万人計画や秋入学構想といった大きなお話しの谷間にあって、注目して行きたい大学国際化の一面です。

【参考リンク】
トレボル@横市
*横浜市立大学のキャンパス内で、外国につながりのある子供たちの学習支援教室を行っている団体。

Tabu Dachi (facebook)
*大学進学を目指す、外国につながりのある高校生のための集まり。

(出光 直樹)



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今どきの若者論=カメレオン論

 今どきの若者は…草食系男子、キョドってる、オドオドしている、アレ、ソレ、コレなど語彙不足、朝起きられない、などと揶揄され挙句の果てにゆとり教育が原因だったのではないかと勝手なことを言う人もいます。大人たちは言いたい放題に若者を切りますが、本当に今の若者の能力が劣っているのでしょうか。私はそうは思っていません。

 最近、この件に関して多くの方と話す機会(合宿など)がありまして、私なりに結論づけたことは、今どきの若者は協調性がありすぎる!です。振り返ると2007年頃、KY(空気読めない)という言葉が流行り、大人も子供もことあるごとに使っていました。

 その時代を生きてきた若者たちは人が集まるところに出ると、周りの空気(様子)を探ろうと(KYにならないために)一生懸命に触角を張り巡らします。その行動が落ち着きなくキョロキョロ目が動き、オドオドしている(探っている)ように見えるのです。本人は気づいていません(かなり多くいます)。KYのレッテルを貼られれば、仲間から疎外され孤独になってしまいます。

 そんな若者たちはあることに気づきました。ネット社会が進み情報交換が楽にできるようになっている。情報を共有すればもっと楽にKYにならないようにできる。というわけで、友達がいないところ(帰宅後など一人の時)でも、明日、KYにならないために常時メールやSNS・mixiなどで周りの状況を確認し(何が話題になっているか)KYにならないための空気の様子を終わりなく確認するのです。ですから、会話はその空気の中でしか通用しないアレ、ソレ、コレでいいのです。これが進んでいくうちに、その空気から一歩でも外に出てしまうと言葉が通じなくなり、怖くて外に出られない状況に縛られてしまったのです。

 多くの学生が面接時に応えられなかったと言う話をよく耳にしますが、仕方がないと思えるようになりました。それは、知らない人の空間に入った時に、最初にすることは空気を探る作業から始めるという習慣が身についているので、本人は一所懸命に触角を張り巡らし空気の気配を探っているのです。これが面接官にとってキョドッてるオドオドしているように見えます。その間に時間オーバーとなってしまうのです。当然、内定なんてとれるはずがありません。彼らはそれなりに自分たちの生きてきた中の最良の方法で面接を受けているのです。本人たちは頑張っているのです。

 今どきの若者はカメレオンのように空気を読んで、それに同調できる能力はピカイチ、しかしそれだけではありません。この頃活躍する人材からはカメレオンのように見えない場所から、ペロッと社会をなめる人がでてきています。その中から、これからの時代のリーダーが続出するのだと感じられます。大人がその流れにKYでも、若者の今後の活躍におおいに期待できます。

(秋草 誠)



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FMICS 4月例会
(第620回例会)

 今月のFMICSは、前国立大学協会企画部副部長で、現在、千葉大学学生部長の織田雄一さんに「国立大学協会と最近の大学改革の動向」をテーマに、次の二つのトピックスについて問題提起をしていただきます。

  1. 国立大学協会考 − 国立大学協会はどんなところでどんなことをしているのか

  2. 秋入学点検 − 入学時期の見直しを考える

 織田さんからのメッセージです。

 国立大学協会は、国立大学の法人化と同じ平成16年4月に社団法人化し、その後、教育研究に係る政策提言や要請活動、国際交流活動、研修事業、広報活動など様々な活動を幅広く行っていますが、今回は、その具体的な内容について掘り下げて見るとともに、諸外国の同種団体等とも比較しつつ、今後の国大協に対しての期待、要望等の意見交換をしたいと思います。

 併せて、先日東京大学が発表した入学時期の在り方の見直し、すなわち「秋入学」の議論については、東大の報告を受けて国大協でも議論をしていくことになっていますが、実施にあたっては、入学までの期間の在り方、入学後の教育課程、海外留学や外国人留学生の受け入れ、就職など大学のみならず社会全体に大きな影響を与えることから、いろいろな角度で議論が進められ制度設計がされる必要があるといわれています。その中で、経済的負担の問題が挙げられ、今のままですと大学(学部)の在籍期間が4年以上になることが想定されています。しかし、世界的な潮流でみますと、学部の在籍期間が3年に短縮化される傾向が見られます。欧州では学部は3年制となっていますし、米国でも欧州の影響に加え経済的な問題から早期修了制−学部3年制を実施する大学があるという話もあります。今後の秋入学の議論の中では、この点についても検討と議論が必要と考えられるのではないでしょうか。当日は、最近の関連する資料を示しつつ、この点についても、皆様と意見交換をしたいと思います。

【日時】 2012年4月21日(土)
ディスカッション 午後4時〜6時
懇親会 午後6時〜8時
【会場】 桜美林大学 四ツ谷キャンパス 3階 307教室 (JR・東京メトロ 四ツ谷駅 徒歩3分)
【テーマ】 時代の潮流を点検する
国立大学協会と最近の大学改革の動向
【問題提起】 織田 雄一 (千葉大学 学生部長)

司会 高橋 真義 (桜美林大学 大学院教授)

【参加費】 会員1,000円  非会員2,000円  学生(会員・非会員問わず)500円
【申込先】 米田 敬子 yoneda(アットマーク)fmics.org
*お名前、ご所属等をお知らせ下さい。参加費は当日会場でお支払い下さい。
*当日の飛び入りも歓迎ですが、なるべく事前の連絡をお願いします。


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FMICS Staff Development 246

■激動の時代を教育業界の枠にとらわれることなく、多面的・大局的視座からじっくりと展望いたします。あなたのアンテナが何かを感じた新聞・雑誌等から教育&経済トピックスを持ちより、侃々諤々とディスカッションいたします。トピックスは、厳選して1件、A4縦判にコピー(10枚程度)して、氏名と簡単なMEMOを付してご持参ください。各自10分間程度のコメントをしていただきます。

■第2部として、FMICSの初発の原像を再確認するためにFMICS中のFMICS人には「温故創新」の「温故」を、若きFMICS人には「創新」を語っていただきます。

【日時】 2012年4月17日(火) 午後6時30分〜8時30分+懇親会
【会場】 桜美林大学 四ツ谷キャンパス 3階 303教室
(JR・東京メトロ 四ツ谷駅 徒歩3分)
【参加費】 会員500円  非会員1000円  学生(会員・非会員問わず)300円
【申込先】 米田 敬子 yoneda(アットマーク)fmics.org
*お名前、ご所属等をお知らせ下さい。参加費は当日会場でお支払い下さい。
*当日の飛び入りも歓迎ですが、なるべく事前の連絡をお願いします。


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FMICS あざみ野 SD 36

●ゼミナール型勉強会「SD」の首都圏西部地域での集いです。

●前回3月20日(火・祝)の参加者数は8名。留学生寮「東京国際交流館」の廃止問題サッカーJ2町田ゼルビアのスポンサーとしての玉川大学と桜美林大学の連携、「高校生が100人いるむら」に見るキャリア教育の課題、高等学校の新学習指導要領における数学の内容移行、「教員資格認定試験」を利用した小学校教員への道、転職相談、大学生のギャップイヤーの取り組みを妨げる高額な休学費の問題、自転車の譲渡と防犯登録手続の課題、といったトピックスがよせられました。

●この勉強会の原理は極めてシンプルです。参加者がそれぞれにネタ(話題)を持ち寄り、みんなで議論します。

●ネタは、気になった新聞・雑誌記事、業務関連の資料、進めている仕事のアイデア、就活エントリーシートの原稿などなど、何でも構いません。ちょっとした事でも、他人の目に触れることにより思いがけない発見があるものです。初めて参加される方は、単に自己紹介だけでもOKです。

●資料(コピー)は12部程度お持ちください。

【日時】 2011年4月13日(金) 午後7時〜9時+懇親会
【会場】 横浜市山内地区センター 3階 会議室3B
(東急田園都市線・横浜市営地下鉄 あざみ野駅 徒歩3分)
【参加費】 100円(会員・非会員問わず)+懇親会実費(3000円くらい)
【申込先】 出光 直樹 (横浜市立大学) naoki(アットマーク)idemitsu.info
http://n-idemitsu.269g.net/category/212623-1.html
*お名前、ご所属、懇親会への参加の有無をお知らせ下さい。参加費は当日会場でお支払い下さい。
*当日の飛び入りも歓迎ですが、なるべく事前の連絡をお願いします。


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会報『BIG EGG』5月号 発送作業

●FMICSの運営は、会員のボランティア作業によって支えられています。毎月の会報の発送作業も、その大切な活動の1つです。早い人はお昼過ぎから作業を開始し、夕方になると職場から一人また一人とメンバーが駆けつけます。

●ワイワイガヤガヤと近況報告を兼ねての楽しい時間は、美味しい中華料理屋での食事会へと引きつがれ、例会などのアイデアの多くが、この瞬間に生まれます。例会とは一味違ったFMICSの活動に、皆さまのご参加をお待ちしております。

【日時】 2012年4月27日(金) 午後6時〜9時+食事会
【会場】 日能研 恵比寿ビル

●初めて参加される方は、 mail2012(アットマーク)fmics.org (高橋真義)までご一報ください。当日の連絡先等詳細をお知らせいたします。



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速報 5月のFMICS

 大学職員の能力や地位向上を訴える大学職員論が論じられるようになってから、随分長い時間が経ちました。FMICSが誕生して31年、大学行政管理学会の結成からでも14年が経過しています。しかし、「プロフェッショナルとしての大学行政管理職員の確立」(大学行政管理学会HP「大学行政管理学会とは」)や大学職員を巡る研究は遅々として進んでいないようにも見えます。その原因の一つは、我々大学関係者の視野があまりにも大学業界内部に限定されていることにもあるのではないでしょうか。

 そこで今回は、昨年12月例会で公立大学職員論との関係で紹介した、労働政策研究・研修機構統括研究員濱口敬一郎氏の日本型雇用システムの根幹としての「メンバーシップ契約」概念およびその対極にある日本以外では一般的な契約形態である「ジョブ契約」に焦点を当て、大学職員一般にまで対象を拡大して、業界内部の視点からでは見えにくい日本の大学職員を巡る構造的な課題を浮き彫りにする手掛かりとしてみたいと思います。

 「メンバーシップ契約」とは、具体的な職務を特定して雇用契約を結ぶ「ジョブ契約」とは異なり、「職務の限定のない企業のメンバーになるための契約」で、日本型雇用システムの三種の神器と言われる「終身雇用」、「年功賃金」、「企業別組合」は、すべてこの職務のない雇用契約の必然的な帰結であり、職務ローテーション制度や企業内教育訓練の重要性などもここから導かれるものとされます。これらの多くは、国立大、私立大の正職員にもほぼ当てはまるものであり、そこから大学職員論の一部に根強いアメリカ型専門的大学職員論の課題、職員の能力育成の在り方、増大する非正規職員問題、教員との関係での大学職員問題等について考えてみたいと思います。

【日時】 2012年5月12日(土) 午後4時〜6時
【会場】 新渡戸文化短期大学 生活学科(本部校舎)
【テーマ】 大学職員再考/メンバーシップ型とジョブ型人材についての検証
【講師】 菊池 芳明 (横浜市立大学 学務准教授)
【指定図書】
(近年かまびすしい、大学におけるキャリア教育を考える上でも有益な本です)