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2011年4月のFMICS



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“いつもどおり”のありがたさ

 3月19日(土)、息子が通う川崎市立養護学校の中学部第49回・高等部第45回の卒業式が行われました。息子を含む中学部生は基本的に高等部に内部進学しますが、20名の中学部生と、38名の高等部生が卒業しました。

 11日(金)に発生した震災により、当初の17日(木)から延期しての実施に。混乱を伴った計画停電の最初の週でしたが、幸いなことに、この日の停電実施は取りやめに。また余震も無く(念のため生徒席の下にはヘルメットが用意されていましたが)、無事に式を終えることが出来ました。

 卒業式は、君が代斉唱、証書の授与、学校長の言葉、在校生・卒業生それぞれの別れの言葉と合唱と続きます。在校生と卒業生による別れの言葉と合唱は、学校生活の様子を綴った内容を、在校生・卒業生それぞれに練習を重ね、力いっぱい表現します。そして最後は、校歌の斉唱で締めくくり。初代の校長先生が作詞された、学校生活と巣立ちへのエールが活き活きとに描かれている素敵な校歌を、子供たちが元気よく歌い上げます。

1.静かな朝の学園に
  小鳥が楽しくうたってる
  君も僕も あなたもわたしも
  さあはじめよう学習を
  希望にみちた明日のため

2.作る仕事楽しいな
  ねんどセメントミシン掛け
  君も僕も あなたもわたしも
  みんな仲良く実習だ
  明るい未来が呼んでいる

3.桜の花のふくらみに
  巣立つ日が来る 春が来る
  君も僕も あなたもわたしも
  翼そろえてはばたこう
  広い世界へたくましく

 <作詞 松本喜美子  作曲 中村喜一郎>

 卒業生はもちろんのこと、在校生にとっても晴れ舞台である卒業式。謝恩会は取りやめにになってしまいましたが、震災の影響により、卒業式そのものの実施を取り止めたり、出席者を限定して実施した学校・大学も多っかた中、いつもどおりに実施されるという事が、本当に幸せでありがたい事なのだと実感しました。

(出光 直樹)



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復興ダンスを学生と

 久しぶりに見た「カズダンス」は復興の祈りがこもっていた。3月29日に行われたサッカーの日本代表×Jリーグ選抜の試合の結果は2:1だった。この試合から勝ち負けを超え日本サッカー界が一つにまとまり、被災者や被災地を思いやる大きな力(あったかさ)を感じた。サッカーを見てこんな気持ちになったのは初めてで、まさに選手同士が復興の祈りを一つのボールに込めてパスを繰り返していた感が強い。

 そういえば昨年の8月22日朝日新聞に青山学院大学教授の福岡伸一さんが寄稿していた文章を思いだした。「“科学の出口は言葉である”生態系の中に人間を位置づけてみる、人類には約700万年の歴史があります。その大半の時間、飢餓と不足と欠乏にさいなまれていました。そのために足るを知るリミッターのほとんどが必要なかった。だから現在、どんなときでも必要以上に占有しがちになるのですね。土地を占有し、お金を占有し、男は女を占有し、女は男を占有する。他のほとんどの生物は分を分かっていて、自分が食べる食べ物はこれ、自分が行動すべき半径はこれくらい、鳴き合う周波数はここ、というように資源をすみ分けて禁欲していますね。すべての生物が、ありとあらゆるところに生息しつつ自分の分を守って、そこで情報、物質、エネルギーをパスし続けている。それはものすごく多数でたくさんの球をけり合い勝ちも負けもないサッカーをやっているようなもの。ところが人間は、根強く占有という呪縛に固執してそのパスを滞らせ、結果、自然が持つ持続可能性を阻害してしまう。」

 福岡さんの言葉を借りるとみんなが「占有」しようとした結果、電力が必要不可欠になり被爆国でありながら危険と知りつつ原発(50基以上)に飛び乗り、原発の危険性の上に成り立つという大きな問題を抱え込まなければならない国家になっていた。みんなが幸せになるために産業を発達させ、住み心地がいいから冷暖房を使い、いつでも買える気軽さから1日中営業しているお店を作り、資源のすみ分けなど考えずにすき放題の行動を取ってきた。我々にとってこれが幸せになれることだと信じ、この空間にいることを享受していた。

 関東、東北地方を襲った地震はこの空間に歪を生じさせ、被災地のみならず、近隣の地域にも多大なダメージを与えた。そのやり方にいまだ異論のある停電の輪番制や足りているはずの物資不足に喘ぎ、さらに関西方面からも不便になったという声を聞く。被災地を支えるべき地域が、浮き足立ってしまった。そろそろ「占有」という呪縛から逃れ、自然が持っている持続可能性を考え、人々がライフスタイルを見直す時期が訪れていると感じる。私たちは教育機関に携わっているのだから、卒業式や入学式が中止になった・授業開始が一月遅れだと目先の話をするのではなく、学生とともに地域に根ざした新たなライフスタイルの創造を考えてもよいのではないだろうか。

(秋草 誠)



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FMICS 4月例会
(第607回例会)

 早稲田大学の3月18日付けの震災対応です。「2011年度入学式の中止および授業期間の変更について」 を引用します。

 このたびの東北地方太平洋沖地震等による災害により、多くの方々が犠牲になられたことに深く哀悼の意を表します。また被災された方々が一日も早く平穏な日々に戻られますよう、心から願っております。
 この地震による余震は未だ収まらず、計画停電による交通機関の混乱もあることから、2011年度入学式をすべて中止することといたします。
 また、こうした事情に鑑み、2011年度の前期授業開始日は4月6日から5月6日に、前期授業終了日は8月2日から8月4日に、それぞれ変更いたします。新入生ガイダンスや科目登録の期間および方法等の詳細につきましては、所属の学部等事務所から、郵送等により改めてお知らせいたします。
<中略>
 なお、被災された入学予定の方々に対しましては、学費の減免や入学時期の延期等の特別な支援策を用意しておりますので、ぜひ早めに入学センターへ相談するようにしてください。
 本学は、被災された方を含めすべての入学者が充実した大学生活を始められるよう、万全の態勢でお迎えする準備を進めておりますので、どうか安心して授業開始をお待ちいただきますようお願いいたします。

 素早い対応をして、学生さんの不安を解消された早稲田大学に感服です。この発表を受けて、相当数の大学が授業を5月にしたようです。

 ここで、ふっと疑問が湧きました。文部科学省が近年こだわっている「単位の実質化」=授業回数15回は、どのようなスキームで担保するのかが不思議でした。3月24日に文部科学省に問い合わせましたところ、25日の文部科学省高等教育局大学振興課の事務事務連絡として、「東北地方太平洋沖地震の発生に伴う平成23年度学事日程等の取扱いについて」がアップされました。

 更に、早稲田大学は、他大学に先駆けて、被災した入学予定者が希望すれば、入学時期を9月から来年4月まで延長できる。来年4月の入学を希望した場合、納めた入学金や授業料はいったん全額返還することとししました。申請が遅くなっても手続きは受け付ける方針とし、まずは家族や自分の安全を優先してほしい」と呼びかけています。

 震災対応。今、各大学の危機管理、情報感性の有無が問われています。今月は、『大学ランキング』編集総括の小林哲夫さんに、東日本大震災に対して大学はいかに動いたかについてのお話をいただきます。また、この4月12日に上梓される『大学ランキング 2012』の編集担当者の視座から、大学の情報感性の磨き方についてもアドバイスをいただきます。

 お仲間をお誘いの上、ご参加ください。

【日時】 2011年4月16日(土) 午後3時〜5時
【会場】 桜美林大学 四ツ谷キャンパス 307教室
【テーマ】 情報感性を検証する
東日本大震災 その時大学はいかに動いたか
【スピーカー】 『大学ランキング』(朝日新聞出版)編集統括 小林 哲夫
【参加費】 会員1,000円  非会員1,500円  学生(会員・非会員問わず)500円
【申込先】 米田 敬子 yoneda(アットマーク)fmics.org
*お名前、ご所属等をお知らせ下さい。参加費は当日会場でお支払い下さい。
*当日の飛び入りも歓迎ですが、なるべく事前の連絡をお願いします。


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FMICS Staff Development 234

■FMICS Staff Development 略して 「SD」は、月例会とは別に、平日の夜に開催されているゼミナール型の勉強会です。

■あなたのアンテナが何かを感じた新聞・雑誌等の教育&経済トピックスを、切り抜いて持ちよりディスカッションします。トピックスは厳選して1件、A4縦判にコピー(10枚程度)して、氏名と簡単なメモを付記してご持参ください。各自5分間程度のコメントをしていただきます。

■第二部として高等教育問題研究会・FMICSの30周年に向けて、FMICS人の中のFMICS人には「FMICS温故創新」の「温故」を、若きFMICS人には「創新」を30分間程度で語って頂きます。

【日時】 2011年4月22日(金) 午後5時30分〜7時 + 懇親会
【会場】 桜美林大学 四ツ谷キャンパス 3階 301教室
(JR・東京メトロ 四ツ谷駅 徒歩3分)
【参加費】 会員500円  非会員1000円  学生(会員・非会員問わず)300円
【申込先】 米田 敬子 yoneda(アットマーク)fmics.org
*お名前、ご所属等をお知らせ下さい。参加費は当日会場でお支払い下さい。
*当日の飛び入りも歓迎ですが、なるべく事前の連絡をお願いします。


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FMICS あざみ野 SD 24

●ゼミナール型勉強会「SD」の首都圏西部地域での集いです。

●前回、3月21日(月・祝)の参加者数は、懇親会からの方も含めて13名。震災に伴う入学手続の対応状況、計画停電と2011年の大学運営の論点、災害対応時の大学病院職員の仕事、外国人留学生の帰国ラッシュ、京都大学の地震対策パンフレット、“日本社会復帰大学”の試み、韓国大学改革が示唆するもの、SD(大学職員の専門性開発)へのケースメソッド教授法導入の提言、給付型の奨学金制度、といったトピックスがよせられました。

●この勉強会の原理は極めてシンプルです。参加者が何か1品、ネタを持ち寄り、みんなで議論します。

●ネタは、気になった新聞・雑誌記事、業務関連の資料、進めている仕事のアイデア、就活エントリーシートの原稿などなど、何でも構いません。ちょっとした事でも、他人の目に触れることにより思いがけない発見があるものです。初めて参加される方は、単に自己紹介だけでもOKです。

●資料(コピー)は15部程度お持ちください。

【日時】 2011年4月17日(日) 午後12時30分〜2時50分+懇親会
【会場】 横浜市山内地区センター 1階 会議室1
(東急田園都市線・横浜市営地下鉄 あざみ野駅 徒歩3分)
【参加費】 100円(会員・非会員問わず)+懇親会3000円程度(収入による増減あり)
【申込先】 出光 直樹 (横浜市立大学) naoki(アットマーク)idemitsu.info
http://n-idemitsu.269g.net/category/212623-1.html
*お名前、ご所属、懇親会への参加の有無をお知らせ下さい。参加費は当日会場でお支払い下さい。
*当日の飛び入りも歓迎ですが、なるべく事前の連絡をお願いします。


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会報 『BIG EGG』 5月号 発送作業

●FMICSの運営は、会員のボランティア作業によって支えられています。毎月の会報の発送作業も、その大切な活動の1つです。早い人はお昼過ぎから作業を開始し、夕方になると職場から一人また一人とメンバーが駆けつけます。

●ワイワイガヤガヤと近況報告を兼ねての楽しい時間は、美味しい中華料理屋での食事会へと引きつがれ、例会などのアイデアの多くが、この瞬間に生まれます。例会とは一味違ったFMICSの活動に、皆さまのご参加をお待ちしております。

【日時】 2011年4月28日(木) 午後6時〜9時+食事会
【会場】 日能研 恵比寿ビル

●初めて参加される方は、 mail2011(アットマーク)fmics.org (高橋真義)までご一報ください。当日の連絡先等詳細をお知らせいたします。



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速報 5月のFMICS

【日時】 2011年5月21日(土) 午後4時〜
【会場】 桜美林大学 四ツ谷キャンパス
【テーマ】 大学の「温故創知」を点検する(仮)