過去のお知らせ一覧へ戻る


2008年9月のFMICS




見出しへ

平成20年度学校基本調査速報から考える

 8月上旬に平成20年度学校基本調査速報が公表された。詳しく見てみよう。平成20年3月の高等学校卒業者数は108万8千人(前年より5万9千人減少)となっているが、大学(学部)・短期大学(本科)への入学志願者の比率(入学志願率)は60.1%(前年度比+1.4ポイント増)である。

 大学・短期大学進学者(過年度高卒者を含む)は55.3%(前年度比+1.6ポイント増)で6年連続して増加し過去最高となった。大学進学者(過年度高卒者を含む)だけでも49.1%(前年度比+1.9ポイント増)で5年連続して増加し過去最高となった。

 また、専門学校への進学者数を合計すると76.8%(前年度比+0.5ポイント増)となっている。

 なお、大学(学部)・短期大学(本科)の入学者数は68万4千人(前年度より1万4千人減少)となっている。このうち女子は32万7千人(前年度より6千人減少)となっているが、大学(学部)の入学者数はほぼ前年度と同じ25万8千人となっている。

 したがって、今年度も大学進学率を押し上げているのは女子であることが分かったが、その動向は、全体像だけ見ていると見落としても全く気がつかない。

 更に、平成20年3月の高等学校卒業者のうち都道府県別の大学等(大学学部、短期大学本科、通信教育部、別科、高等学校等専攻科)の進学率は、30%台−2(前年より4減)、40%台−18(前年より2増)、50%台−23(前年同)、60%台−4(前年より2増) となっており、最大で28.4%(前年度比+2.9ポイント増)の開きがある。さらに専修学校(専門課程)進学率を加えると、50%台−11、60%台−21、70%台−15 となっており、その差は21.2%に縮まる。因みに、高等学校卒業者の進学率だけで、この専修学校(専門課程)進学率を加えた率を上回っている都道府県は11(前年より4増)ある。

 これだけ、都道府県により大学等への進学率に格差が広がっているのに、関係者以外に殆ど知られていない状況が放置されている。

 ところで、文部科学省は、国の責任により義務教育の結果の検証を行う観点から、全国的な子ども達の学力状況を把握する「全国学力・学習状況調査」を平成19年度から実施した。しかし、高等学校は義務教育ではないので実施されない。

 中学生のこの調査結果について、大都市、中核市、その他の市、町村、へき地の区分で平均正答数を比べてみると、国語A、Bに関してはほとんど開きはないが、数学Aで4.4、数学Bで3.6の差が生じている。

 一方、都道府県別について平均正答数を比べてみると、国語Aで11.1、国語Bで13.0、数学Aで23.1、数学Bで20.0の差が生じていた。平成20年度も、ほぼ同様の結果が出ている。

 しかしながら、大学進学率とこの調査結果については、必ずしも正の相関とはなっていないのである。特に、国語A、B、数学A、B全ての平均正答数が全国(公立)平均を大きく上回っている都道府県においても、大学進学率は必ずしも高くはないという実態があるからである。

 それは、大学進学率問題は学力問題だけでは語れないことを示唆している。

(鳥居 聖)



見出しへ

食育から見た大学事情

「幼稚園のお弁当にコーンフレークを持たせています」というお母さん宛に幼稚園の先生から手紙が届きました。

「ご家庭の事情もあるでしょうが、少しお弁当に配慮していただけますか」それを読んだ母親はすごくムカついたという。それでも注意を無視するわけにはいかないので、バナナやヨーグルトなどをもう一品持たせることがこの母親の「配慮」だという。なんだか不思議な母親が出てきたと思って「モンスターマザー」石川結貴さんの本を読んでいると、「小学校の運動会にピザの出前を取った母親がいるという。彼女は注文したラージサイズ10枚を自分の子供と同級生に配りはじめた。10数年前の小学校の運動会でピザの出前を取った母親がいたとしたら、おそらく周囲の母親から総スカンを食らっただろう。」

 こんな環境で育った子供たちは、きっと自己中心的で思いやりなし、言いたいことは本当のことなのでズバズバ発言してしまう高校生になる可能性が高いと思います。

 一方、7月23日の日経新聞に気になるアンケート結果が載っていました。私立大学の教員の二人に一人が「学生に基礎学力がない」と悩み「学習意欲がない」と感じている教員は4割近いという実態が明らかになりました(社団法人私立大学情報教育協会が実施したアンケート)。

 この結果を基に学生や生徒の問題を教員から聞くと大学は高校へ、高校は中学校へ、中学校は小学校へと簡単に原因が遡っていく感が強いです。話の先の最後は「ゆとり教育」が悪かった、原因は文部科学省だとなってしまいます。

 その矛先を変える動きが今回の新学習指導要領ではないでしょうか。特徴は約60年ぶりの教育基本法改正後初めての改訂、「読み書き算だけ」と「子ども中心」、習得と探求の二元論から脱却する。知・徳・体のバランス、知識・技能、思考力・判断力・表現力等及び学習意欲の重視、発達の段階の重視、これらの基盤としての言語と体験の重視が肝になります。

 しかし、冒頭のような母親に育てられた子ども達が大学に入学することを考えると文部科学省の60年ぶりの対策も霞んでしまいます。

 現実に子ども達の学習意欲を喚起する対策などまでは考慮していないはずです。まして、現在の家庭環境が急速に変化していることなど知る由もないことでしょう。

 大学が「学生に基礎学力がない」と悩み「学習意欲がない」と嘆いている間に、学生の質がみるみる変わる現実問題をいかに理解して対応策をヒネリ出せるかがポイントです。きっと訪れるはずのその時期が、FMICS人の本来の役割を発揮できる場になるはずです。

 今まで様々な場面で活躍されている諸先輩方も、これからの変化を迎える若者も互いに切磋琢磨して当初の心を忘れずに「まずは始めよう」を根幹にして、学生とともにあったかさの伝導を創るトレーニングの場がFMICSだと思っています。学生たちの可能性を拡げるために、私たちは今まで以上にトレーニングが必要です。

(秋草 誠)



見出しへ

FMICS 9月例会 (第567回例会)

■9月の月例会のゲストは、「留学生30万人計画」の総理の施政方針演説から計画策定までを担当してこられた文部科学省留学生交流室の織田雄一さんです。また、中教審の留学生特別委員会のロジ(会議のセッティングなどの裏方のお仕事)を一貫してやってこられた菊地勇次さんもご参加いただきます。ワイワイガヤガヤ意見交換をして「留学生30万人計画」を皆さまと考えます。

■織田さんからメモをいただきました。

 本年1月の施政方針演説で福田総理は「留学生30万人計画」を提唱しました。これまでの留学生交流といえば、主に「途上国の学生を日本の大学に受け入れてお世話をして本国に返す」というものでしたが、この30万人計画が目指すものは、日本を世界に開かれた国とし、アジア、世界との間のヒト、モノ、カネ、情報の流れを拡大する我が国の「グローバル戦略」の展開にあります。そういった意味でこの30万人計画は日本の大学のために行われるとも言えるでしょう。
 最近、「グローバル化」という言葉がクローズアップされています。中教審の留学生特別委員会では、グローバル化の展開のためには大学の組織的な取り組みが非常に重要であるとの意見が再三出され、その組織を構成する個々の教職員の力がまさしく求められています。また、100程度しかない英国の大学が35万人もの留学生を集めている要因の一つにスタッフの力があげられています。こうしたことから、今回時間をいただいて「留学生30万人計画」についてご説明するとともに、日本人学生の海外留学も含め今後の大学における留学生交流のあり方について意見交換ができればと思います。

【日時】 2008年9月27日(土) 午後4時〜7時

【会場】 工学院大学新宿キャンパス 4階0477教室

【テーマ】 我が国の大学のグローバル化のカタチ
     検証 世界戦略「留学生30万人計画」

【スピーカー】
文部科学省留学生交流室織田 雄一
菊地 勇次

【参加費】  会員1,000円  非会員1,500円  学生(会員・非会員問わず)500円

【申込先】 高橋 真義(桜美林大学) mail2008(アットマーク)fmics.org



見出しへ

YFN9月例会 (第566回例会)

 この度、中央大学五葉会80周年・早稲田大学清風会20周年・首都大学禅の会・名古屋大学光明会10周年、そして人間禅道場60周年を記念して、それぞれのゆかりの茶道各流派の有志が集い、FMICS名古屋のメンバーが核となり、古来言われ目指されてきた茶禅一味の現成を目指す「茶禅一味の会」を設立しました。

 そこで各流派からなる実行委員会を組織して、有楽流・裏千家・表千家・上田宗箇流・肥後古流・石州流・宗偏流の茶席8席と、縁の深い先生方の講演会による「茶禅一味の会」記念茶会を開催する運びとなり、YFN秋の文化祭9月例会としてご案内申し上げる次第であります。

 中央大学五葉会・早稲田大学清風会・首都大学禅の会・名古屋大学光明会と、人間形成を目的として、現役学生とともに多くの卒業生が、今なお人間禅道場をベースにして道友の仲間と共に修行を継続して本格の禅に参じております。

 また、創立当初より、有楽流の道統を伝える立田英山老大師(人間禅創立者・中央大学予科教授)の立田家をはじめ、良き茶道教授方や芳賀幸四郎(如々庵洞然老師)・西山松之助(蔵雲)・数江教一(瓢鮎子)・古田紹欽・神保博行(淡蘆)先生方の学者文化人の謦咳に接する好縁に恵まれ、坐禅と茶道の実修に取り組んでまいりました。

 会を催すにあたり、師や先生方への報恩感謝の誠を捧げつつ、多くの愛好家の皆様には、当会の素志をご理解ご賛同願い、ご参集をいただきたくご案内申し上げます。

【日程】  2008年9月22日(月)〜23(火・祝)

【会場】  人間禅道場 本部  (千葉県市川市国府台6丁目1−16 TEL 047-373-7572)

【主催】  茶禅一味の会記念茶会実行委員会

【内容】

 ●9月22日(月) 〈 記念講演及び発会式 〉

  記念講演(午後5時〜7時)
   林原美術館館長・国立民族学博物館名誉教授 熊倉 功夫

  交流・前夜祭(午後7時〜9時)

 ●9月23日(秋分の日) 〈 茶会並びに講演会 〉

  献茶式(午前9時〜9時半) 

  茶席 (午前10時〜午後1時)
  〈茶席8席・向日庵、書院、隠寮、南寮、清閑寮、野点、立礼席〉

  点心席(午前10時〜午後1時)禅堂

  講演会 (午後2時〜4時)
  講師博報堂最高顧問・裏千家老分・元国税庁長官近藤 道生
神戸大学名誉教授倉沢 行洋
茶の湯文化学会会長了空庵 堀井無縄 老師

   コーディネーター 茶禅一味の会幹事長・中央大学五葉会OB 林 憲和

【会費】  22日のみ 2,000円、23日のみ 5,000円、22・23両日 7,000円

【申込先】
 下記事務局までFAXかE-mailで代表者氏名と住所・電話番号と参加合計人数を記入の上お申し込みください。後日振込先と席入りお時間等を記入した茶会券をお送りさせていただきます(申込締切9月14日)。

  茶禅一味の会記念茶会実行委員会 事務局(林 憲和)
  FAX 058-263-2315
  nhayashi(アットマーク)ha.shotoku.ac.jp



見出しへ

FMICS Staff Development 203

■FMICS Staff Development 略して 「SD」は、月例会とは別に、平日の夜に開催されているゼミナール型の勉強会です。■あなたのアンテナが何かを感じた新聞・雑誌等の教育&経済トピックスを、切り抜いて持ちよりディスカッションします。トピックスは厳選して1件、A4縦判にコピー(10枚程度)して、氏名と簡単なMEMOを付してご持参ください。各自5分間程度のコメントをしていただきます。■なお初めての方は、自己紹介のみで構いません。■4月からは「FMICS淵野辺SD」とジョイントし、金曜日の開催なっています。お間違えないようお願いいたします。

【日時】 2008年9月26日(金) 午後6時30分〜8時30分

【会場】  工学院大学新宿キャンパス 高層棟27階 教員応接室

【参加費】 会員500円  非会員1000円  学生(会員・非会員問わず)300円

【申込先】 米田 敬子(桜美林大学) mail2008(アットマーク)fmics.org



見出しへ

会報 『BIG EGG』 10月号 発送作業

●FMICSの運営は、会員のボランティア作業によって支えられています。毎月の会報の発送作業も、その大切な活動の1つです。早い人はお昼過ぎから作業を開始し、夕方になると職場から一人また一人とメンバーが駆けつけます。

●ワイワイガヤガヤと近況報告を兼ねての楽しい時間は、美味しい中華料理屋での食事会へと引きつがれ、例会などのアイデアの多くが、この瞬間に生まれます。例会とは一味違ったFMICSの活動に、皆さまのご参加をお待ちしております。

【日時】 2008年10月1日(水) 午後6時〜9時+食事会

【会場】 日能研 恵比寿ビル

初めて参加される方は、 mail2008(アットマーク)fmics.org (高橋真義)までご一報ください。当日の連絡先等詳細をお知らせいたします。


見出しへ

速報 10月のFMICS

 世界三大レースの一つと評されるフランスのル・マン24時間レースで、世界で初めて学生の創ったレーシングカーで完走する「夢」を実現しようとする東海大学工学部教授「林義正」がいた。その「夢」の実現の一翼を担う為に参加した幾多の「同志的学生」は8年の歳月を経てついにその「夢」を実現した。

<東海大学 ル・マン プロジェクトの公式サイト>

 ヨーロッパのスポーツ文化の中で自動車工学の技術はレースにより進化してきた。エントリーが許可されプロチームと同じサーキットでのレース参戦が近づくにつれて学生は自ら考え責任感をもち主体的に行動するようになった。決勝レーススタートから17時間過ぎた午前8時45分、186周目を走行中に駆動系のトラブルに見舞われ途中リタイアとなりました。しかし、多くの学生達の表情は全力を出し切りやり遂げた「達成感」の顔がそこにあった。

 高等教育問題研究会FMIC10月例会は、ル・マン24時間レースにチャレンジした東海大学ル・マンプロジェクトチームに、広報担当として密着取材された東海大学学長室の関野辰夫さんに、大学広報担当者という視座からレースを再現して頂きます。

【日時】 2008年10月18日(土) 午後4時〜6時30分

【会場】  工学院大学新宿キャンパス

【テーマ】 夢を乗せてル・マン24時間レースへの挑戦
      〜東海大学 ル・マン プロジェクトが得たもの〜

【発表者】 東海大学学長室企画課(広報担当) 関野 辰夫



見出しへ

速報 第2回 大学職員サミット やまぐちカレッジ2008
〜未完(蜜柑)の大器にメッセージ〜

【日時】 2008年11月8日(土)〜9日(日)

【会場】  山口大学 経済学部第2講義室、第1学生食堂「ボーノ」、熊野荘

【プログラム】

第1日目 11月8日(土) 大学職員の可能性を語り合おう
12:30〜 受付 経済学部D棟
13:00〜13:15 開会
13:30〜15:15 オープニングトレーニング
(自己表現・評価トレーニング)

ファシリテーター 高橋 真義 (桜美林大学 教授)

15:15〜15:30 休憩・移動
15:30〜16:15

基調講演
「個性輝く元気な大学を創るために/未完の大器に贈るメッセージ」

  丸本 卓哉 (山口大学長)

  学生発表者(4人)

17:00〜19:00 パネルディスカッション
パネリスト田村 幸男 (関西外国語大学理事・事務局長)
高橋 真義 (桜美林大学 教授)
長畑 実 (山口大学エクステンションセンター教授)(予定)
コーディネーター中川 武義 (山口大学副学長)
19:10〜21:00

懇親会、手作り名刺コンテスト

司会 山口大学職員

オプションプログラム
オールナイトディスカッション
第2日目 11月9日(日) 大学自慢コンテスト
わたしたちの大学をわたしたちが自慢します
9:30〜 受付
10:00〜12:30

大学自慢コンテスト

コメンテーター 石川 洋美 (芝浦工業大学名誉理事長)
 松本 美奈 (読売新聞記者)
 横田 利久 (中央大学職員・大学行政管理学会会長)
 小林 哲夫 (朝日大学ランキング編集統括)
 上條 醸 (山梨学院大学教授)(予定)
 山口新聞記者 (予定)
12:30〜14:00 サンドイッチパーティー / 表彰式