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2008年1月のFMICS




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PISA2006について

 今月始めOECD生徒の学習達成度調査(PISA2006)の結果が公表された。その詳細について主だったものを紹介したい

○科学のテスト結果について

  • OECD平均が500点、OECD加盟国の生徒の3分の2が400点から600点という科学のテストは、日本の15歳の平均点は531点という成績で、OECD30カ国のうちの3位だが、信頼区間は2位から5位である。
  • 比較的に成績優秀者の割合が高い。
  • 比較的に成績の悪い生徒の割合が低い。

○学習機会の公平性について

  • 日本の15歳の平均成績はOECD平均を上回っているが、成績のレベルは学校間のばらつきが大きい。
  • 社会的経済的格差は、生徒の成績にあまり影響していない。

○科学に対する生徒の意識について

  • 日本の15歳の科学に対する評価のレベルはかなり高いが、他のOECD 加盟国に比べると平均レベルより低い。
  • OECD 加盟国の中で日本の生徒は自分の科学の能力に対する自信がもっとも低い。
  • 将来の学習あるいは職業に役立つという理由で科学を学習しようという意欲が、比較的低い。
  • 環境問題に対する意識が平均以下のレベルだが、酸性雨に対しては平均以上に意識がある。

○学校及び制度の要因について

  • 日本の学校では、すべての科目で能力別のクラス分けを行う頻度がOECD 加盟国の平均より低い。
  • 社会的経済的な要素を別にすると、公立と私立の学校とは実績に差がない。
  • 少数の学校は学業成績を掲示して公表する。
  • 親から学校に対する圧力は比較的高く、学校長は高い教育水準が期待されているという。
  • 他国と比べて、日本の学校長は教育内容の決定において比較的に高い自主性を有する。

○数学のテスト結果について

  • 日本の15歳は、OECD平均が498点の数学のテストで平均点が523 点という成績で、OECD30カ国中6位だが、信頼区間は4位から9位である。
  • 成績優秀者の割合が平均を上回っている。
  • 87%は簡単な推理を行い、単一の情報源からの情報を抽出し、その結果をそのまま解釈することだけが必要な数学の問題を認識することが出来る。
  • 2006年の数学の成績の平均点が2003年より11点下がった。
  • 男子は女子より20点上回った(OECDの平均は11点)。

○読解テストの結果について

  • 日本の15 歳は、OECD 平均が492点の読解のテストで、平均点が498点という成績で、OECD29カ国中12位で、信頼区間は9位から16位である。
  • 82%の日本の生徒は、正しい情報を突き止め、さまざまな低レベルの推定を行い、テキストの特定の部分の意味を考えだし、それを理解するのに外部の知識を利用することが出来る。
  • 2006年の読解の平均点が2000年より24点下がったが、2003年と比べると変化はなかった。
  • 日本の15歳の女子は男子より31点上回った(OECDの平均は女子が38点高い)。

(鳥居 聖)



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瀕死のカナリア

 炭鉱のカナリアって知ってますか?

 炭鉱なんてもう廃坑になっていますから、知らない人が多いですよね。実は炭鉱夫の間で先頭を行く人にカナリヤを持たせてカナリヤが毒に敏感に反応をして死ぬのを見てから、カナリアより毒性に強い人間達は帰還時期を決めると言われていました。これを炭鉱のカナリアと呼んでいます。

「ウェブ時代をゆく」の著者梅田望夫氏は、“炭鉱のカナリア力”を発揮して、組織や仕事にこんな兆候があると危険だという注意事項5つを挙げています。

  1. 「世の中と比べ、おそろしくゆったりと時間が流れている」組織は要注意。
  2. 「毎日同じことの繰り返しで変化がない」仕事は要注意。
  3. 「新しいことを何もしない」ことが評価される社風は要注意。
  4. 小さなことでも個に判断させず、判断の責任を集団に分散する傾向のある会社は要注意。
  5. 幹部の顔ぶれを眺めたとき、「その会社に関するプロ」(その会社の内部のことを知り尽くした人たち)ばかりが重用されている会社は要注意。
なのだそうです。

 12月21日の日経新聞の朝刊に大学法人64と短大法人34が早急に改善が必要な「経営困難状態」にあり、うち15法人は「いつ潰れてもおかしくない」レベルだと発表されました。社会の風潮は大学も企業と同様の経営を求めてきます。

 しかし、ここで疑問に思うのは、果たして大学は企業と同じような手法で経営改革を進めて良いのだろうかということです。

 最近、大学の方からよく耳にするのが、財政が厳しいという理由から金融関連の方々を財務の重要なポストに招くという話です。この方々が、まず、最初にやるのが経費削減の連続。企業に勤めていた者にとって、大学の経費削減は簡単なことです。経費の削減も2〜3年も続けると絞るところがなくなってくるので、同時に提案するのが人件費の削減です。その結果、人件費を削減したしわ寄せは学生にふりかかる可能性は高くなります。このまま削減を続けると学生対応が悪化し、学生から見放される大学が出ることは間違いありません。学生は大学の存続のためにお金を払っているわけではないのです。大学が企業のような経営を目標に急速に改革に向かっている現状に違和感が残るのは私だけではないはずです。そろそろ経費削減・人件費削減等をやめて学生主体の大学へ転換する時期が訪れているような気がします。

 これからの大学は人件費の削減を推進するより、一人ひとりが戦力アップを図り、学生のために大学に“何が”必要か考えられる(提案)できる教職員が必要になります。FMICS人としては、母校を廃校にしないために新しい“大学のカナリア”を見つけることが求められていると感じます。瀕死のカナリアは、そこここに居るはずです。そのカナリアが生まれ変われるような環境を創造する能力が必要なのです。

“大学のカナリア力”は「FDとSDの融合」から生まれる予感です。

(秋草 誠)



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FMICS1月例会 (第553回例会)

●いよいよ大学淘汰の時代を迎えます。時代は待ってはくれません。大学を活き活きと元気元気元気にするためには、教員・職員・学生を点から線に、そして面にして、組織としての「協どう力」をパワーアップしなければなりません。新しい時代の職員は、資源であり資産である教員と学生の可能性を伸ばすためのプロデューサーとしての役割を担うことが求められます。●FMICSの1月は恒例の合宿例会です。新宿・工学院大学でのオリエンテーションは、学生教職員の「協どう」のカタチの理論と実践についての日米の事例を検証します。●葉山では参加者全員に「私の2008アクションプラン」を発表していただきます。高等教育問題研究会FMICSの創会30年を総括する「新100BOOK」の発刊企画委員会の立ち上げについても検討もいたします。●恒例の打ち上げ&反省会は、定番になった海辺の素敵な喫茶店パティスリー ラ・マーレ・ド・チャヤ 葉山本店の美味しいコーヒー/紅茶とケーキを頂きながら行います。●FMICSらしさを十二分に体感できる新春合宿例会は、通称「こたつ合宿例会」とも言われています。お仲間をお誘いの上ご参加下さい。昼、夜プロのみの部分参加も大歓迎いたします。

【日時】 2008年1月12日(土)〜13日(日)
          オリエンテーション  午後1時〜3時
          合宿FMICS  午後6時〜翌午前9時

【会場】
オリエンテーション 工学院大学新宿キャンパス 4階0471教室
合宿FMICS 中央大学葉山寮
神奈川県三浦郡葉山町堀内86 TEL 0468-75-0009

《交通》 JR・逗子駅京急・新逗子駅 → [逗12]海岸回り葉山行バス(約12分) →

鐙摺(あぶずり)停留所 → 徒歩(5分) → 中大葉山寮

*JR・逗子駅/京急・新逗子駅からタクシー(約10分)

【テーマ】 元気元気元気な私のアクションプラン
      私たちは学生さんを元気元気元気にします

【プログラム】
1月12日(土)
13:00

「元気元気元気な私のアクションプラン」を検証する

15:00合宿FMICS 葉山会場へ移動
18:00夕食&懇親会
21:00点検 FMICS 2008 アクションプラン
22:00全員参加で、学生さんを元気元気元気にするための学生サービスを考えます
1月13日(日)
2:00朝までフリートーク
8:00朝食
9:00総括
10:00打ち上げ&反省会 パティスリー ラ・マーレ・ド・チャヤ 葉山本店

【スピーカー】

  • ケース1 専門に根ざした教職員の分業と連携システム/米国大学における実践事例
     教員と職員が協同して学生の指導や教育プログラム運営に当たり、効果を挙げている事例、特にアカデミック・アドバイザー、図書館司書、学生課職員の仕事と教員との連携システムや、実際の学生指導における連携の実践を紹介します。

     関西国際大学初年次教育研究開発センター講師 加藤 善子

  • ケース2
     大学職員が「職員先生」として授業を持つ。リアクションペーパーで活発なディスカッションを行う。学生教職員の「協どう」の新しいカタチの桜美林大学での試みをご報告します。

     桜美林大学大学院アドミニストレーション専攻教授 高橋 真義
【参加費】
オリエンテーション: 会員1,000円 / 学生500円 / 非会員1,500円
合宿FMICS: 懇親会&宿泊12,000円 / 懇親会のみ日帰り6,000円

【参加条件】
 フルタイムの合宿FMICS参加者には、@学生を元気元気元気にするカタチのアイデアをA4一枚程度にまとめて15部ご持参ください。A自己申告時間10分間以内でアッピールしていただきますのでご用意をしておいて下さい。B800字程度で MY FMICS(感想文)を書いて頂きます。C点検「FMICS 2008 アクションプラン」では、今年一年間の活動企画・ワクワクドキドキプログラムを考えてください。

【申込先】
 坂田 範夫 kintoki(アットマーク)tamajs.chuo-u.ac.jp までお申し込み下さい。
 合宿参加希望者は、申込をお急ぎ下さい。



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YFN1月例会(第554回例会)

●YFN・めやっとかめやなもFMICS名古屋の新春1月例会は、恒例の参加者全員に「学生さんを元気元気元気にするための学生サービスの自分流のカタチ」を発表して頂きます。●翌朝は朝の座禅とお茶もたっぷり楽しんで頂きます。

【日時】  2008年1月12日(土)午後7時〜13日(日)昼

【会場】  東海坐禅道場 岐阜県関市洞戸大野927 電話 0581-58-7014

【テーマ】 元気元気元気な私のアクションプラン
      私たちは学生さんを元気元気元気にします

【発表者】 参加者全員

【申込&問い合わせ先】
 林 憲和 (岐阜聖徳学園大学総合企画課) nhayashi(アットマーク)ha.shotoku.ac.jp



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FMICS Staff Development 196

■FMICS Staff Development 略して 「SD」は、月例会とは別に、平日の夜に開催されているゼミナール型の勉強会です。

■あなたのアンテナが何かを感じた新聞・雑誌等の教育&経済トピックスを、切り抜いて持ちよりディスカッションします。トピックスは厳選して1件、A4縦判にコピー(10枚程度)して、氏名と簡単なMEMOを付してご持参ください。各自5分間程度のコメントをしていただきます。

【日時】 2008年1月24日(木) 午後6時30分〜8時30分

【会場】  工学院大学新宿キャンパス 高層棟27階 2743号室(教員応接室)

【テーマ】 近代日本の大学人に見る世界認識 −28−

【参加費】 会員:500円 学生:300円 非会員:1000円

【申込先】 米田 敬子(文教大学) mail2008(アットマーク)fmics.org



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FMICS 淵野辺 Staff Development 34

●ゼミナール型勉強会「SD」の首都圏西部地区版。若手を中心に盛り上がっています。この勉強会の原理は極めてシンプルです。参加者が何か1品、ネタを持ち寄り、みんなで議論します。●ネタは、新聞・雑誌記事、業務関連の資料、進めている仕事のアイデア・企画等々、何でも構いません。ちょっとした事でも、他人の目に触れることにより思いがけない発見があるものです。初めて参加される方は、単に自己紹介だけでもOKです。●資料は8部程度お持ちください。
●今月は、表参道駅徒歩5分の国連大学本部が会場となりますので、ご注意ください。

【日時】 2008年1月25日(金) 午後7時〜9時+懇親会
        *午後7時、国連大学本部1階ロビー集合

        次回は2月8日(金) 桜美林大学PFCにて開催。

【会場】 国連大学本部 表参道駅徒歩5分・渋谷駅徒歩8分

【申込先】 pfc-sd2008(アットマーク)fmics.org 出光 直樹(横浜市立大学)



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会報 『BIG EGG』 2月号 発送作業

●FMICSの運営は、会員のボランティア作業によって支えられています。毎月の会報の発送作業も、その大切な活動の1つです。早い人はお昼過ぎから作業を開始し、夕方になると職場から一人また一人とメンバーが駆けつけます。

●ワイワイガヤガヤと近況報告を兼ねての楽しい時間は、美味しい中華料理屋での食事会へと引きつがれ、例会などのアイデアの多くが、この瞬間に生まれます。例会とは一味違ったFMICSの活動に、皆さまのご参加をお待ちしております。

【日時】 2008年2月7日(木) 午後6時〜9時+食事会

【会場】 日能研 恵比寿ビル

初めて参加される方は、 mail2008(アットマーク)fmics.org (高橋真義)までご一報ください。当日の連絡先等詳細をお知らせいたします。


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速報 2月のFMICS

●朝日新聞社大学ランキング編集部の小林哲夫さんが『ニッポンの大学』を講談社現代新書から昨年末に上梓されました。その帯には、神戸女学院大学教授内田樹氏が、「大学はランク付けすることができるのか?」逆説的なことだけれど、このラディカルな問いが本書の全体に伏流している。と書かれています。小林さんらしい大学に対する愛情が一杯詰まった秀作本として仕上がっています。

●2月例会は、小林哲夫さんに、この書の誕生までのいろいろな想いをじっくりと語って頂きます。

【日時】 2008年2月16日(土)  午後4時〜6時30分

【会場】  工学院大学新宿キャンパス

【テーマ】 検証『ニッポンの大学』
       大学はランキングすることができるのか

【スピーカー】 朝日新聞社大学ランキング編集部 小林 哲夫