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BIG EGG(紙版)9月号の発送作業は、
9月17日(水)6時〜(先行隊は午後2時〜)
恵比寿・日能研ビル 東京都渋谷区恵比寿西2-3-14 にて行います。
皆様のご参加をお待ちしています!!!

2003年8〜9月のFMICS

  • 「構想力」を高める構想を描く構想(山本 明正)
  • 3%の改善と30%の改革(河原 卓巳)
  •  YFNシンポジウム 9月6日(土)〜7日(日) 岐阜
  •     FMICS SD 8月27日(水) 工学院大学:新宿
  • 速報 9月のFMICS 9月27日(土) 工学院大学:新宿
  • 速報 10月のFMICS 10月25日(土) 工学院大学:新宿
  • 【ご案内】第3回大学教職員研修会
  • 【ご案内】SHINGI式自己表現・評価トレーニング


「構想力」を高める構想を描く構想

 「欧州連合(EU)が推進する外交政策の一つに『地中海パートナーシップ構想』がある。中東や北アフリカ諸国と順次、自由貿易協定(FTA)を結び、2010年代に地中海を取り巻く自由貿易圏の完成を目指す。EU自体の中・東欧への拡大と並行して地中海の東と南に拡大する自由貿易圏。・・・政治的な影響力の維持拡大にも結びつくFTAは、外交の『構想力』を問い、外交の競争力を左右するテーマだ」。(日本経済新聞2003年8月15日朝刊「大機小機」)

 敗戦記念日当日のコラムに、先の大戦の一因である「ブロック経済」を彷彿とさせる自由貿易協定が取り上げられた。現代の「ブロック経済」は、「米欧にとってFTAは自らの利益を追求し相手国に構造改革を迫る攻めの外交手段」で、「電子商取引の自由化や外国企業の参入規制緩和」、「産業民営化や、外資の進出を促進する方向での各国の法制度や税制の改革」などの姿で現れる。

 では、わが国のアジア戦略はどうか。

 「日本はシンガポールと初のFTAを実現したが、農産物市場開放への国内の抵抗が根強いため、他の国々との協定締結のメドが立たない。中国はASEAN諸国に対し農産物関税引き下げの方針を示し、・・・アジアの自由貿易圏づくりで日本は主導力を失い、中国に先を越された格好だ」(同紙)中央省庁には「省益や思惑はあっても、日本としての明確な戦略がない」とコラム子は断じる。

 「新しい時代に求められる教養の全体像は,変化の激しい社会にあって,地球規模の視野,歴史的な視点,多元的な視点で物事を考え,未知の事態や新しい状況に的確に対応していく力として総括することができる。こうした教養を獲得する過程やその結果として,品性や品格といった言葉で表現される徳性も身に付いていくものと考える」(中央教育審議会「新しい時代における教養教育の在り方について」答申第2章)

 昨年2月に公表された当時、毎日新聞は「教養とは『構想力』である」という見出しで第一報を報じた。

 では、学生の意識はどうか。「今年の新入社員は『寄らば大樹』意識が強い−−。・・・起業・独立志向が低下し、人事処遇面でも実力主義を志向する人が、昨年より減少していた」。(日本経済新聞夕刊2003年8月14日)この産業能率大学の調査では、独立起業は昨年より半減している。  また、教職員の意識はどうか。18歳人口は3年後の2006年以降は、120万〜110万人台で少なくとも20年近く推移していく安定期を迎える。この時代における個性化の陣取りを、組織として、個人として、どの程度が具体的なイメージを形成しているだろうか。

 FMICS精神を大学構成員に伝える仕組みを構想する力の育成は避けては通れない。

(山本 明正)



3%の改善と30%の改革

 「コストや生産性などを3%改善することは、とても難しい。むしろ30%の改革を実現する方が可能な場合もある。」大学職員を対象とした研修会において、あるコンサルタントの言葉である。現状の枠組みの中で改善しようとすることには自ずと限界がある。現状の枠組みから離れて目標を実現しようと模索した時に、大きな成果をあげる場合があるという意味の言葉である。その例として思いつくのが、NHKスペシャルでも取り上げられた、鳥取サンヨー工場である。

 「工場生産の常識といえば、ベルトコンベヤーの大量生産方式である。フォードのT型車生産以来、作業者のモチベーションや満足感を犠牲にしながらも、大量の製品を安価に市場に提供してきた。しかし、この特徴が不況下ではかえってアダになり、在庫の山が経営を圧迫するようになった。そこで工場では、ベルトコンベヤーを取っ払い、『一人屋台方式』(各人が一人用の作業台を使って、部品組み立ての始めから最後までを完成させる)に切り替えた。これに伴い、在庫品や生産ライン内の仕掛かり品が減少し、小口注文や急なモデル・チェンジにも即応できるようになった。また作業担当者の責任感、やる気、働きがい意識も高まり、生産能力が飛躍的に高まった」(「プレジデント」2001年7月30日号)というのである。

 ベルトコンベヤーという現状の枠組みにこだわっていては、鳥取サンヨー工場のような「30%の改革」は、実現不可能であったろう。

 翻って大学を取りまく状況をながめてみると、18歳人口の減少、21世紀COEプログラム、特色ある大学教育支援プログラム(COL)、ロースクール開設、国立大学独立行政法人化など、現在大学は競争的環境におかれている。このような中で、各大学とも追い立てられるように改革に取り組んでいる。しかし、各大学の自発的な取り組みというよりは、行政側の動きに対応しているという印象は拭えない。現状の枠組み中で、必死になって「3%の改善」に取り組んでいるようである。

 大学1000年の歴史を概観してみると、大学は聖職者や法律家、医者といった専門職業人の養成機関として中世ヨーロッパで生まれ、広まった。その後、パリ大学はなぜ滅び、ベルリン大学モデルはなぜ生まれ、滅んだのか。アメリカ大学モデルはなぜ今、全盛であるのか。歴史から導き出されるシンプルな真理は、「大学は競争的な時代になると作り変えられ、生まれ変わることにより、進化してきた。」ためではないだろうか。したがって、現在の大学を取りまく競争的環境は、大学が生まれ変わる一つの契機となるかもしれない。有馬朗人元文部大臣は、明治の学制制定、戦後の新学制に次ぐ、第三の大きな変革が始まると述べた。そのためには行政主導による現状の枠組みにとらわれた「3%の改善」ではなく、大学が自発的に取り組み「30%の改革」を実現していかなければならないのではないだろうか。

(河原 卓巳)



第17回 YFN やっとかめやなも
FMICS 名古屋 シンポジウム (第463回例会)

●やっとかめやなもFMICS名古屋(YFN)の《学びのカタチ》を束ねる恒例の第17回YFNシンポジウムをご案内します。まずは、聖徳学園岐阜教育大学でのシンポジウムです。懇親会は長良川での鵜飼い観賞とともに乾杯。夜プロのはじまりは、ヨサコイソーラン岐阜学生チーム<柳>と浄土宗本堂で踊る企画です。そして、夜プロは第2部へ。凄腕繁盛記と修行僧奮闘記で盛り上がります。翌日の岐阜観光は温泉にも入ります。今年も岐阜は盛りだくさん。お仲間をお誘い下さい。心からお待ちしています

【日時】 平成15年9月6日(土)午後1時 〜 7日(日)午後4時30分

【会場】  シンポジウム: 岐阜聖徳学園大学 羽島キャンパス本館8階会議室
      オールナイトYFN:  浄土院 岐阜市駒爪町16 TEL 0582-64-0389

【テーマ】 大学人すごく元気元気元気宣言 YFN 2003
      “まなびっと”たちの時代がやって来た

【プログラム】
●シンポジウム

「龍谷大学の今 そして21世紀戦略」
    龍谷大学副学長 河村 能夫

「学校法人日本福祉大学の戦略を語る」
    日本福祉大学常任理事・学園事務局長 篠田 道夫

「元気元気元気 岐阜モデルを語る」
    岐阜県商工局長 長屋 栄

●夕方の部  懇親会  長良川鵜飼観賞
   長良川古典鵜飼再生の会事務局長の解説付き
●夜プロ@ 浄土宗の名刹 浄土院にて

「ヨサコイソーラン岐阜学生チーム<柳>見参!
  本堂でみんなで踊ろう」

●夜プロA

「ラフォーレ原宿そして岐阜アクティブG 立ち上げ凄腕繁盛記」
    森ビル土地開発顧問
    オリベ・コンソーシアムプロデューサー・事務局長 永島 佳

「チベット仏教ニンマ派修行僧奮闘記」
    チベット仏教ゾクチェン研究・探求者 成冨 二郎

●オールナイトFMICS 参加者全員発表  
●翌日「中世文化の華連歌と今様発祥の地探訪」

朝の茶(浄土院井中庵 亭主安藤昌空上人)

観光&池田温泉入浴(説明:瑞巌寺住職・大垣市観光協会事務局長)

*解散 J R新幹線 岐阜羽島駅 16時半

【参加費】  昼の部のみ千円  夜の部まで1万円  両日:1万5千円

【申込&問い合わせ先】 岐阜聖徳学園大学 総合企画課 林 憲和 nhayashi@ha.shotoku.ac.jp

【お願い】  軽装でご参加下さい。なお、オールナイトYFNの参加者には、5分間以内のスピーチをしていただきます。スピーチの内容をA4縦判(様式自由)のメモにして、当日コピーを30部程度ご用意ください。



FMICS SD 144

●FMICS Staff Development 略して 「SD」は、月例会とは別に、原則として第3週の水曜の夜に開催されているゼミナール型の勉強会です。超競争時代をしたたかに活き抜くためにも、大学人一人ひとりの努力を束ねる場です。

(1)メディアチェック 
 あなたのアンテナが何かを感じた新聞・雑誌等の教育&経済トピックスを、切り抜いて持ちよりディスカッションします。トピックスは厳選して1件、A4縦判にコピー(15枚程度)して、氏名と簡単なMEMOを付してご持参ください。各自5分間程度のコメントをしていただきます。

(2)テーマを定めた継続的な勉強会
 2002年8月5日の中央教育審議会答申『大学の質の保証に係る新たなシステムの構築について』は、大学に対する第3者評価制度の導入をうたい、昨年11月の学校教育法の改正により、2004年4月より施行されることになりました。
 大学は7年に1回、文部科学大臣の認証を受けた「認証評価機関」による評価を受けることとなります。現在その認証基準の細目が検討されており、大学評価・学位授与機構や大学基準協会等において認証機関となるべく準備が進められています。この認証評価機関になるには、法人の他、代表者や管理人の定めがあれば任意団体でも可能とされております。アメリカ流のアクレディテーションを模したと言われる第3者評価制度ですが、アメリカのように地区毎に単一の機関が担当するのではなく、それぞれに「大学基準」を掲げた多様な機関が併存する事により、多様な特色・理念をもった大学がその活動に応じて多元的な評価を受けられるシステムがうたわれています。
 6月のSDからは、「あったかさ」を理念に掲げたFMICS流のボランティアモデルによる認証評価機関が設立可能かどうかを検討し、あわせてこの第3者評価制度のあり方を考えていきます。

【日時】 平成15年8月27日(水) 午後6時30分〜8時30分

【会場】  工学院大学新宿キャンパス 高層棟27階 2710ゼミ室

*教室変更もありますのでご注意ください。

【テーマ】 FMICS流ボランティアモデルによる
       認証評価機関設立への道 −3−

【申込先】 桜美林大学 出光 直樹 idemitsu@obirin.ac.jp



速報 9月の FMICS

●9月の FMICS は、巻頭言(Big Egg 紙版)でご報告しましたアメリカ大学・コミュニティーカレッジ(CC)駆け足体感報告です。なぜ、あれ程までにアメリカの大学はあったかいのか・・・を考えることにいたします。特に、CCについて参加者全員が感じたことは、日本の短期大学とは別物であるという思いです。勘違いだということで実態を知ることなく看過すれば、明らかに禍根を残すことになるはずです。CCはコストパフォーマンスの極めて高い高等教育機関であると正しく認識しなければ、彼らが本気で日本にリクルートを仕掛けてくれば、短期大学は勿論4大も脅威以上のモノになるはずです。アメリカの科学技術に負けるな、勝ちに行けということで競争的環境を無理して作り上げることに疑問を持たざるを得ません。学生にあったかいという大学の存在理由としての原理原則を改めて考え直すチャンスにしたいと思います。

●全員参加型の例会です。お仲間をお誘い合わせの上、ご参加下さい。

【日時】 平成15年9月27日(土) 午後2時 3分 30分 〜 午後6時

【会場】  工学院大学新宿キャンパス
     会場は変更になる場合もありますので、9月・10月のページでご確認下さい。

【テーマ】 全員先生全員生徒の学び舎に集まれ
     アメリカのあったか大学のカタチ VS 日本のあったか大学のカタチ

【コーディネーター】  桜美林大学 大学教育研究所長 高橋 真義



速報 10月の FMICS

●10月は、アメリカの競走的資金の配分についてチェックいたします。ゲストは、この3月までアメリカで高等教育関係の調査研究を続けられた、高エネルギー加速器研究機構の織田雄一さんです。●いただいたメールをご紹介します。National Science Foundation(NSF)のファーストレーンという電子申請システムは補助金の申請、審査(審査員への事前送付も含む)、審査結果の伝達などすべての過程を電子化したもので、どの大学からも excellent の評価を受けています。これは一度見てみないとそのすごさは分かりにくいのですが、日本でもこのシステムが将来的に導入されればどれほど競争的資金の配分が楽になるかと思います。NSFはこうした事務の徹底した合理化で連邦政府から唯一最高評価であるグリーンの評価を受けている機関です。科研費は、今後このプログラムオフィサーによってコーディネートされることになります。その過程は昨年度の総合科学技術会議の議事録を見れば知ることができます。ただ、私学助成に取り入れられることは当面はないと思いますが!●最新情報の先取りに乞うご期待。

【日時】 平成15年10月25日(土) 午後2時 3分 30分 〜 午後6時

【会場】  工学院大学新宿キャンパス
     会場は変更になる場合もありますので、9月・10月のページでご確認下さい。

【テーマ】 米国NSFに見るグラントシステム
      将来の日本の競争的資金配分方法を探る

【ゲストスピーカー】
  高エネルギー加速器研究機構 国際研究協力部 国際交流課長 織田 雄一



桜美林大学 大学教育研究所 主催
第3回大学教職員研修会

大学危機回避への提言
今 大学人は何をしなければならないか

■日時平成15年9月6日(土) 午後1時〜8時(懇親会は6時から)
■会場桜美林大学 PFC・プラネット淵野辺キャンパス
(懇親会は桜美林大学 町田キャンパス さくらカフェ)
■ゲスト筑波大学大学教育センター長・教授山本 真一
高橋真則事務所・公認会計士高橋 真則
黒田法律事務所・弁護士笹倉 興基
■自己表現・評価トレーニング 桜美林大学 大学教育研究所長 高橋真義
■参加費参加費 2,000円  懇親会費 3,000円(ともに当日徴収)
■締め切り平成15年9月4日(水)
■申込先桜美林大学 大学教育研究所 herd-ken@obirin.ac.jp



桜美林大学オープンカレッジのご案内

「大学職員力」アップを目指す参加型講座
SHINGI式自己表現・評価トレーニング

■日 時10月14日、10月28日、11月11日、11月25日、12月2日
午後12時50分〜4時
■会 場桜美林大学 新宿キャンパス
■講 師桜美林大学 大学教育研究所長 高橋真義
■受講料 22,000円
■申込先桜美林大学 新宿キャンパス
電話 03-5304-5381
FAX 03-5304-5383
E-mail extnsn-s@obirin.ac.jp

 隔週で「SHINGI式自己表現・評価トレーニング」を体感しながら、職員力アップを図ります。FMICSの皆さまには是非参加下さい。詳細は、高橋真義(E-mail shingi@obirin.ac.jp)までご照会ください。