よくキク (一所懸命)
心からホメル (十ほめ一ただす)
かならずカタル (一言以上)
皆でカンガエル (三人寄れば文殊の智恵)
どこまでもギビング (GIVE & GIVE)

FMICS GOKUN は大学をすこしでも良くしたいと願う FMICS人の約束
FMICS GOKUN は“まなびっと”の約束

プラス発想の積み重ねの26年間 FMICS人は
螺旋状的にミッション・パッション・アクションを束ねてきました

そして 今年 FMICS 2006
私たち FMICS “WITH×2びと”は可能性の渦を創ります
初発の原像と当たり前のおせっかいなぐらいのあったかさを
学生さんと一緒にしっかりと束ねます

今年も新宿と明治神宮が熱くなります
お仲間をお誘い合わせの上 ぜひ ぜひ ご参加ください


可能性の渦と「大学学生教員職員三輪車論」

大石橋 由和
 私たちが「教育」をもって、次世代を担う学生・子供たちの可能性を渦として発展させるには、「大学学生教職員三輪車論」の考え方が重要だと強く感じます。そこにある「WITH」の精神、主体は学生・子供、という原理原則は、「三輪車」を想像すれば、容易に理解できます。@三歩進んで二歩下がる。→こぎ方(やり方)によっては目指す方向(目標)に対して後ろに進むこともある。A資質×努力=成果→前輪の大きさ(スキル)とペダルをこぐ速さ(努力)で進むスピードが変わる。B疲れたら休ませてもいい→後輪のバランスがよければ、止まっても倒れない。Cバランスが重要→後輪の2つは同じ大きさで前輪と同方向に回転しなければ、まっすぐに進めない。教員と職員、学校と家庭、父親と母親が、前輪を自らの力、ペース、ハンドルさばきで進める次世代たちの後輪となり、前輪と「WITH」、そしてもうひとつの後輪との「WITH」で進む。難しくとも、これこそが我々現世代の重要な役割だと想い、自らの立場での実践を誓います。

商ハ笑ナリ、笑ハ商ナリ

宮本 輝
「商人にとって大切なものは信義。それは昔も今も変わりません。今、その商人の魂は守られているでしょうか。『カネで買えないものはない』などという考えが跋扈してないでしょうか。今こそ『損して得とれ』『商いに三法あり』といった商売の原点に戻るべきだと私は考えます」(藤本義一氏)。大学全入時代を迎え、各大学は受験生集めに「奇手妙手」を繰り出しています。しかし、目先の利益だけを追求するものは必ず衰退します。例えば「商ハ笑ナリ」、これは商も笑も同じくショウと読むところからきた語呂合わせ、商品を間にして商人と客、売り手と買い手の双方がにっこりと笑わないことには本当の意味での商売は成り立たない。客と信頼関係を築き、それを長く維持することこそが本物の商い。大学の世界もまたしかり。どんな状況になろうとも、根本の教えは変わっていないように思います。大学人の魂の継承の場として、FMICSの知恵、FMICS道は今年もさらに進化します。

大学を魅力的な居場所にしたい

近藤 浩
 学内で落書きや器物の破損が続いており、学生課が中心となって巡回するようになった。「こんなことして何が面白いんや」と腹を立てながら落書きを消していたが、落書きをした相手を想像してみた。面白半分にやっているのか? 大学が面白くないからか? 不満をこんな形でしか表現できないのは、本人はもちろん大学にとってもよくない。
 最近の学生は問題ばかり起こすと管理を強めるよりも、学生を巻き込んで大学を魅力的な居場所にしていきたい。そのために何を始めるかと考えた時、「大学学生教職員三輪車論」を実践してきたFMICSのシンポジウムに参加するしかないという結論になりました。
 「大学学生教職員三輪車論」を実践するため、一緒に参加する職員を呼びかけています。FMICS2006のキーワードである「可能性の渦」「WITH×2びと」「当たり前のおせっかいなぐらいのあったかさ」が体感できることを楽しみにしています。

三輪車から自転車へ

宮本 英治
 小さい頃姉と遊ぶときは、私が三輪車に乗っていて姉はすでに自転車を乗っていた。三輪車では、姉の自転車には追いつかず、つくづく早く自転車に乗りたいと憧れていた。三輪車は転ばないし安全なのだが、スピードが出なく苛立ってもいた。やっと学生を大学の主人公にということが言われるようになった。三輪車論とはおもしろい発想だ。三輪車は前輪にペダルがついていて前輪駆動となっている。学生がベダルを漕ぎ後輪は職員と教員がバランスをとりながら駆動する前輪を支えていく。しかし本来は学生を社会の主人公にしていかなければならない。大学はその橋渡しにしか過ぎない。よく社会と大学の連携などとも言われるが、本来は社会と学生が連携すべきであり、大学はその橋渡しにしか過ぎない。学生には一日も早く三輪車を乗り捨てて、颯爽と自転車で風をきって駆け巡ってほしい。

新しい言葉をつむぐこと

中田 晃
 コミュニケーションが常に問題にされながら、コミュニケーションのありかたが掴めない難しい時代です。そういう時代にあって「当たり前のおせっかいなくらいのあったかさ」の示すものは何なのでしょうか? 未来の可能性を呼びさますような励ましのメッセージのことでしょうか。そばに寄り添うように元気に働きかけをすることでしょうか。
 言葉は難しい。人と人との間に共通理解を作り出すはずの言葉(とそのニュアンス)は、時として瞬時に陳腐化し、内輪だけに通じる自己満足な言い回しに堕してしまいます。
 きっと私たちは、日々出会う他者に対して、新しい言葉をつむぎ続けなければならないのでしょう。そのためには人は「移動」しなくては。「移動」するとは、単に旅行にいくとか、海外の大学で学ぶとかいうことではありません。内輪の世界を離れ、自分の言葉を異なる立場の人の心に響くように、努力し続けることです。いわば「可能性の渦」や「WITH×2びと」という言葉の新しい意味を、絶えず新たに出会う他者の中に見つけ出すことです。
 そんな瞬間と出会いがFMICSにあると期待しています。

大学の主役はやっぱり学生

近藤 誠
 大学全入時代の到来はすでに10年以上前から言われ続けてきたことだが、ついにその事態を迎えた。改組改変に出遅れたか、したけれども効果なく応募者不足で廃業に追い込まれた短大が出始め、その波は間もなく4年制大学にも波及しそうな昨今、小手先の「改組」をしたって、大学を構成する教職員の顔ぶれが変わらない以上、よほどの意識改革としたたかな広報戦略を考えないとお先真っ暗ということになってしまう。
 3人の子供を異なる大学に進学させた親としての経験から言うと、大学にとって大切なことは、教職員において「学生が主役」という意識が高いか低いかということ。それ次第で学生たちの意欲が決まってしまうし、就職にも大きな影響があるということだ。学部窓口はもちろん守衛さんに至るまで「職員」の学生に対する温かさ、キャンパスライフの快適さ、学生生活支援、進路指導の的確さなどの質が高ければ高いほど学生はやる気が起きるし、母校意識が育まれる。
 不本意入学者の比率が高い大学ほどそこのところに力を入れないと、敗残意識を持っている学生は「なんだ、やっぱりこんなものなんだ」なんて諦めてしまう。
 本命入学者を失望させないことと、不本意入学者が「この大学に入って良かった」と希望を抱くことができるようにすることが肝要。そのためにも「学生教職員三輪車」の意識は大切だ。
 活き活きと学生がペダルをこげるような雰囲気、体制作りを心掛けることで、学生にとっても大学にとっても「可能性の渦」が勢い良く回り始める。